「アップサイクル」とは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつである。 従来から行なわれてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とする。
現代美術用語辞典ver.2.0 Artscape より
このシリーズは、
残していきたい日本の文化「着物」について、
古い着物を日常で着たくて集めていた私あべゆか( @abeyuka_ )と、日本の「モッタイナイ」文化を着物や服作りを通して伝えたい!これからスキなことで自分の仕事をつくっていきたい!かねつなしほ( @314_shiho )の、
着物アップサイクル挑戦プロジェクトです。
このシリーズ第二弾となるこの記事は、
今回は、商品となるコンテンツができて、情報発信のお話。
見えてきた!着物アップサイクル商品。
なかなかいい感じです。
着物の柄を前面に活かしたデザインと、
普段でも着られるようにワンポイントに袖の部分がかわいいキルト素材なのがポイント。
古い着物をほどく作業から一着一着手作業なのですが、
着物にも個性があって、そのとき縫った人の性格が分かるから面白いのだそう。
以下、しほちゃんのインスタグラムの文章から引用。
日本って語彙も豊富で面白い文化や歴史がたくさんあって、
知れば知るほどいい国なんだなって実感する。
中でも着物って日本人のもったいない精神が詰まってて、着るものからその国の人らしさが、体型が、考え方が見えることが面白い。
着物をほどくと、なるべく無駄のないように裁断されていることがわかる。
何枚か解いてると、この着物を縫った人はすごく丁寧な人だけど、この人は割と雑だなとか、
一枚一枚にストーリーがある。
でもズボンとか、Tシャツとか今の世の中にはもっと機能性があって動きやすいお洋服が沢山ある。飽きるほどある。
捨てるほどある。
そんな中でお腹ギンギンに帯で占められて、
歩幅制限されてまで誰が着物を日常着として着るんだよって振袖きたときに思った。
でも着物って捨てるのもったいなかったり、
捨てるのにもお金かかったり、
大事なあの人が着ていたものだったりすると、
手放しにくくてタンスの肥やしになっちゃったりする。
って話をよく聞いてた。
もっと自分と同じ世代の人たちが、
日本の文化の面白さに気がつくきっかけってないのかな
せっかく自分で稼いだお金で買ったお洋服なのに
すぐに売ったり捨てたりするその感覚にストップをかけられないものなのかな
と1人で悶々と考えていた。
外国人は着物を着た日本人を見るとクールって喜んでくれるし、
なんかできないのかな、って思ってて
カレー屋で @abeyuka_ さんと思いついた。 ————–
かねつなしほ(@314_shiho )2019.7.27 のInstgramの投稿より
あべゆかの役割は、暮らしの3biz化の部分。出来上がった商品コンテンツを見て、どういう戦略で行こうか考えます。
しほちゃんのアップサイクルデザイン、着物への思い、センスにすごいなあああと思いつつ、できあがった商品を見ながら「3biz化」会議です。
着物アップサイクルミーティング。3biz化計画
着物アップサイクルミーティング終了!
韓国非電化工房で開催されるマルシェに向けて着々と動いてます🙌
今日は新しく完成した作品を見せてもらって、詳細について打ち合わせ。
わくわくのすり合わせ。#小さな仕事づくり#月3万円ビジネス#着物のアップサイクル pic.twitter.com/TS9wJag04I
— あべゆか☕コミュニティカフェさるつぼ (@abeyuka_) July 31, 2019
その中で、商品コンテンツが出来上がった今、やるべきこと・考えるべきこととして挙げたのは4つ。
/ 今回の着物ミーティングで考えた内容 /
- 値段設定
- 知ってもらうサイトデザイン
- 全体像
- 情報発信強化戦略
値段設定
小さな仕事をつくることは、「大切にしたい価値」を誰かに伝えて、その価値を共有すること。
適切な価値をつけることで、その後も長く続いていく「仕事」「ナリワイ」として、文化として積み重ねていくこと、と理解しています。
その第一歩となる価格設定ですが、
ポイントは価格から決めるか、内容・価値から決めるか。
どちらかということ。
- 商品の価格から決める
特定のテーマについて、多くの人に届けたい、またターゲットが具体的に決まっている場合。
「買いやすさ」「届けやすさ」「仕事として成り立つのか」を考慮して決める。
- 商品の価値から決める
特定のテーマについて、「これだけはどうしても伝えたい価値がある」という強い思いがある場合。
どうしても商品の内容を保持するために価格は譲れないが、頑張って売り切る戦略を考えていく。
ここで重要なのは、今自分が作っている商品・コンテンツの値段設定が、どちらに比重を置いてつくられているかを意識すること。
どちらかに絞り込むという話ではなくて、
物の価値から決める商品をつくる視点と、届きやすい購入しやすい価格の商品を作る視点、両方を意識して全体のメニューを考えていきたいということです。
それを踏まえたうえで、
今回の着物のアップサイクルの場合は、第一弾のメニューとしては
どちらかというと「物の価値から決める」パターンでした。
初めての試みなので、試作した着物アップサイクル商品を色んな方々に見て頂き、アドバイスをもらいました。
最低限、「たんすのこやしになっている」着物をアップサイクルして普段も着られる服にするのに必要な手順を踏むためには、
着物は古いものをつながりの中でもらってきたりするため、ミシンと糸、アクセントとして使用する布以外、ほぼ材料費はかかっていませんが、
着物をすべて手作業で、アップサイクル1着につき着物2着分の生地をほどいている、
デザインもオリジナルで型紙のパターンを引いている。
一着一着手縫いで仕上げている。。
つまりは、お金をかけずに時間と手間をじっくりとかけた商品。
というところから、
/ かねつなしほ×あべゆかコラボ企画 着物アップサイクル商品 /
- ひっくり返しても着られるリバーシブルタイプ ¥2,1000
- シンプルなノーマルタイプ ¥1,8000
に決定しました!!
時給に換算しても決して高い値段ではないかと思います。
価格については実際にあちこち出店してみたり、着てもらったり、あれこれ試行錯誤の中で修正していくことも出てくるかもしれませんが、
とりあえず第一弾としての価格を決定しました。
知ってもらうサイトデザイン
商品コンテンツができて、じゃあどうやってその価値を届けるのか…というところで、
情報発信のためのSNSやブログ、note等の活用方法です。
オンライン上で商品コンテンツを届けるために何が必要かな。。?と考えた時に、
思い浮かんだのは3つ。
/ 準備したい、コンテンツを届けるための「場」 /
- コンテンツがシンプルに並んでいる売り場(注文フォーム)
- コンテンツの世界観を発信する場
- コンテンツの情報を拡散する場
コンテンツがシンプルに並んでいる売り場(注文フォーム)
まずは、シンプルにコンテンツが並んでいる場所。
お客さんが「どんなものを売っているのか」をシンプルにみることができる場所です。
コンテンツの世界観を発信する場
コンテンツがずらっと並ぶ「売り場」とは別に、
自分が届けたい価値観を伝えられる「世界観を発信する場」があるといいと思います。
この時のポイントは、なるべく世界観・テーマを統一すること。
今回、しほちゃんが伝えたい、着物のアップサイクル商品を発信するプラットフォームは、Maegamiという個人ブランド。
伝えたい世界観は、
- 日本人に日本の「モッタイナイ文化」を伝えるためのストーリー
それを伝えるための具体的な方法・コンテンツの内容としては、
- 着物アップサイクルの服、その過程で出る端切れでつくったピアスなどの紹介
- アップサイクルした着物を着ることで、「ちょっと暮らしが豊かになる」豆知識
伝える方法としては写真がメインで、文章もあるといいな。。ということで、
- 世界観の発信の場として使用するのはインスタグラムとnoteに決定
コンテンツの情報を拡散する場
「売り場」と「世界観を発信する場」ができたら、
あとはそれを見つけてもらう入り口を増やしていくための「拡散する場」の設定。
例えばTwitterやFacebookなどのSNSは知っている人や既ににつながっている人、同じテーマに興味がある人が発見してくれやすいです。
オンラインだけでなく、リアルなコミュニケ―ションの中で見てもらえるようにカードやチラシにしたり、ポップにしたり、そこから「売り場」と「世界観を発信する場」に飛べるようになっているといいと思います。
例えばマルシェに出店すると、一気に見てくれる人に出会えたり、
直接お客さんと会話の中で自分のコンテンツの反応も見られるのでおすすめです。
情報発信強化戦略
さて、ここまで情報発信戦略の全体像を見てきましたが、
今回特に力を入れるべきところ…インスタグラムでの発信について整理しておきたいと思います。
必ず発信すべきは、
- 着物のアップサイクルの作品そのもの
- 実際に作品を着てみた写真
それからイメージ・想像力が膨らんでくれるように、
- 着物生地の柄のアップ(着物の柄に込められた意味)
- 制作過程(着物を手に入れる→手作業で着物をほどく→パターン(型紙)を引く→切り取って、縫製→完成!)
軽く挙げたところでもけっこういろいろな写真が想像できますね。
以上、着物アップサイクル作戦進行中!情報発信のススメ。レポートでした!!
このシリーズ、まだ続きます。
次回もお楽しみに~。
着物のアップサイクルの記事書いてるんだけど、
しほちゃん( @314_shiho )かっこよすぎて。。😳✨#着物#アップサイクル#月3万円ビジネス#3biz pic.twitter.com/MW2flJHeAn— あべゆか☕コミュニティカフェさるつぼ (@abeyuka_) August 18, 2019
世界観。、
プロのカメラマンさんの凄さを実感した撮影でした。
しほちゃんの世界観と、あべゆかの世界観はけっこう違っていて、
今回はしほちゃんの世界にお邪魔した感じで、それが面白かった。photo by 松田光広#着物#アップサイクル#月3万円ビジネス#3biz pic.twitter.com/0aq5DMWShT
— あべゆか☕コミュニティカフェさるつぼ (@abeyuka_) August 18, 2019