非電化工房住み込み弟子のあべゆかです。
先日米麹を作りました。
意外と作りシンプルで簡単だ!
ぜひ来冬も作りたい!
と思ったので非電化工房流の米麹の作り方を紹介します。
ざっと簡単に説明していきますので、
ゆるりとお読みくださいね。
米麹づくりを始める前に
麹づくりの基本は、
麹以外の菌が混ざらないように徹底的に雑菌対策をすること。
麹菌でない雑菌が繁殖しないように、
使用するトレイや布は煮沸、
服装も綺麗な服を着て、頭巾をかぶってマスクをして、
ほこりや雑菌が入らないようにします。
さらに作業中に麹の上に落ちてくる落下菌が麹についてしまわないように、
ちょっと時間を置くときは麹の上に布巾をかけるようにします。
手など身体には常在菌(皮膚を守ってくれている)、
空気中の浮遊菌がたまにふわふわと落ちてくる落下菌…
私たちはたくさんの菌とともに生活している、
それをよーくイメージして麹づくりスタート。
2.米麹をつくるよ
材料は白米と、米の重量比の0.2%の種麹。
あと必要なのは蒸し器、トレイ、しゃもじ、布、保温する箱です。
あらかじめに浸漬しておいた米を水切りし、
適度に蒸します。(芯がなくなるまで。柔らかくなりすぎないよう注意)
※漬けすぎるとふやける
蒸し終わったら、
蒸した米を殺菌したトレイに広げて米が36度くらいになるまで冷まします。
適温になったら、種麹をまんべんなく数回に分けて切るように混ぜる。
いわゆる「種切り」という作業です。
※種切りの間や他の作業の合間、少し置いておきたいときは布などをかぶせて落下菌が麹につかないように対策します。
ここまでできたら、綺麗な布で全体を包んで、保温して培養します。(温度は30~32度に保つ)
もっと高い温度のほうが麹が生き生きする温度ですが、同時にバクテリアにとっても繁殖しやすい温度になってしまいます。
菌の世界では二つの菌が同時に繁殖することは無いので、麹がある程度元気に培養できたあとに温度を上げます。
【保温の仕方はざっと三種類。】
①断熱箱に、熱湯を入れたガラス瓶と温度計を入れる。
断熱箱は、発泡スチロールの箱でもOKです。
ただし、時間とともにお湯が冷めてしまうので注意して温度を見ておくことが必要。
今回やってみたら5-6時間は温度をキープできるようでした。
発泡スチロールの断熱性にびっくり。身近なものでできちゃうなんて。
②発酵槽
発酵食品を他にもいろいろ作ってみたい人は、発酵槽を手作りしちゃう。
扉付きの断熱箱に、ヒーターを入れたらできちゃいます。
さらに温度管理をしてくれるサーモスタッドを入れたら完璧。
今回は非電化工房製の発酵槽も発泡スチロールの箱と並行して使用しました。
温度管理をしなくていいのでとても便利です。
③こたつの中に入れておく
こたつの中が麹のいい香りに包まれたら…想像すると
なんだかほほえましいような素敵なやり方です。
この方法も今度ぜひ試してみたい。
さてさて保温箱に麹を入れたら、
時々、時間と麹の様子を見ながら手入れを行います。
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手入れ①種切りから20時間後 米のかたまりをバラバラにほぐす
手入れ②種切りから30時間後 水に濡らして固く絞った布をトレイの上に敷き、その上に米の塊をほぐしながら移す
手入れ③種切りから35時間後 米をトレイ全体に広げ、均す(厚み2-3㎝)
米の温度が37-42度になるように調整
手入れ④種切りから45-48時間後 完成!冷まして冷蔵保存。
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完成に近づいてくると麹の甘い匂いがしてきます。
いい匂いは麹が順調にできている証拠でもある。
甘い香りに誘われて、米をほぐす手入れをした際にこぼれていた発酵途中の麹をぱくり。
食べてみた。
甘い!!
麹が完成したら、冷蔵保存。
麹が発酵しすぎるのを防ぎます。
ちなみに、菌があまり入らないように注意していたので工程の写真がないのです…
うーん。ざんねん。
3.米麹の使い道イロイロ
麹は甘酒以外にも使い道たくさん。
醤油麹、塩麹、甘酒、味噌、漬物などなど。
塩麹のスープや甘麹の蒸しパンなどもおいしい。
先日開催された非電化工房の麹・味噌づくりワークショップでは、
麹を使った料理もみんなで作りました。
そのメニューの一覧がこちら。
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塩麹のシンプルチャーハン
塩麹ナムル
納豆オムレツ
鶏の塩麹から揚げ
小豆の甘麹ココナッツ汁粉
甘麹のフレンチトーストのバナナソテー添え
塩麹の味噌汁
卵としらすの混ぜ寿司
甘麹のしっとり蒸しパン
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たくさん作ってたくさん食べましたね~。
中でも
甘麹のフレンチトーストバナナソテー添えが本当においしかった。
麹の甘さがフレンチトーストにぴったり合って幸せな気分になれます。
かなりおすすめ。
一度覚えたらシンプル。米麹のつくりかた【まとめ】
麹づくりには時間がかかる…というイメージでしたが、意外とやり方はシンプル。
麹料理も美味しく、麹料理をずっと食べていても飽きないやさしい味。
今度は麹から菌糸を取り出して乾燥させれば種菌を作ることも
ぜひやってみたいです。
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余談ですが、ワークショップでは単に作り方を覚える・共有すること以上に
一人でやるよりも作業が愉しかったり、みんなでやるから話が色々と発展していくことにも面白さがあると感じました。
今回も発酵槽の作り方から、木工の基礎技術に話が広がっていったり。
いろいろなことに繋がるものですね。